問題と目的
1.中国教育体制改革
2.中国における教育の現状
3.問題
4.先行研究
5.目的
1.中国教育体制改革
1978年に「改革と開放」の政策が策定、採用され、中国は経済発展が重視され、教育を経済発展のための道具として利用する政治的な動きを生み出した。
1985年「教育体制改革に関する決定」が公布されて以降は、教育の本質をめぐる議論は、経済発展のための多様な人的能力=「人材」を育成するものであるという形で国家政策へと収束していくこととなった。
1993年「中国教育改革及び発展綱要」では、「受験教育から資質教育へ」(中国語で応試教育から素質教育への転換)という原則を現実のものとする。従来の「受験教育」に対する批判としての「資質教育」は主として初等・中等教育段階の教育内容や教育方法,評価基準,そして入試方法等に関連していたが,国としての教育目標や教育体系,人材の選抜,教員集団といった教育の枠内だけではなく,社会的に通念や雇用制度,社会環境等より広範な改革が求められることになったのである。
1998年に制定された「21世紀を目指す教育振興行動計画」の中には,「資質教育」の実施や高等教育の質的向上をはじめ,教員の養成,技術開発や産学協同の展開,開放的な教育ネットワークの構築,成人教育の開発など多様な内容が含まれている。
2. 中国における教育の現状
近年好調な経済成長を背景に、中国の教育も順調な発展を見せている。国家統計局の統計数字によると、2002年小学校適齢児童の入学率はほぼ百パーセント、小学校卒業生の進学率は1982年の66.2%から97.0%、中学卒業生の高校進学率は同32.3%から58.3%に増加し、また人口1万人当たり大学在学生数も1978年の8.9人から、2002年現在に66.1人へと飛躍的に増加した。
3.問題
近年,とりわけ1990年代に入ってからは,急速な経済成長もあって,中国社会には様々な面で著しい変化が見られる。教育の分野でも様々な改革が進められ,教育のあり方は現在大きく変化しつつある。それに伴って,教師の考え方や行動などの変化も社会的に注目されている。教師が無意識のうちに為している多くの行動の中に、生徒たちが悩み、苦労していることがあった。しかしながら、この事実に気づかない教師が多いのが現状である。また、学校では、学習の時間は学校生活の大部分を占めているために、「教える人」と「学ぶ人」との間の人間関係の重要さは、あまり意識されていないように思われる。
4.先行研究
李(2004)の調査では、「教え方は上手で、授業の要領をつかんでいる先生」「愛情のこもった」「どの生徒にも公平に」「生徒を理解できる」の順で,高校生と中学生の好きな教師の特性を報告している。
瀧野(1995)「好きな教師像」についての調査で,瀧野(1995)、因子分析により@「親和・援助」A「厳格さ」B「個別的対応」C「外見性」の4因子を抽出した。つまり、
友達のようにやさしい先生を求めている研究結果でも示されている。
5.本研究の目的
生徒たちが日々感じる教師像を確認しようとするために、本研究は、最近中国の中学生いだく教師像を明らかにすることを目的とする。