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1.方法
1-1.対象児
愛知県および三重県の公立小学校に在籍する5・6年の児童463名(5年生男子115名、女子101名、6年生男子119名、女子128名)。
1-2.調査内容 (1)Birlson et al.(1987)によるDepression Self-Rating Scale for Children(DSRSC)の日本版(村田・清水・森・大島,1996)。子どもの抑うつ症状を測定するための尺度で、最近1週間の状態に関する各項目について、いつもそうだ(2点)・ときどきそうだ(1点)・そんなことはない(0点)の3段階で評定させる。DSRSCは、子ども用の他の自己記入式抑うつ尺度に比べて項目数が少なく表現も易しいため、小学生にも取り組みやすいという利点がある。全18項目で構成されているが、現職の小学校教員と実施上の問題を協議し、自殺といじめに関する2項目(「生きていても仕方がないと思う」、「いじめられても自分で『やめて』と言える」)を除いた16項目で実施することとした。DSRSCは、この2項目を除いた16項目でも、高い信頼性を維持することが確認されている(佐藤・新井,2002)。
(2)予備調査と先行研究より作成した質問紙。ある児童Aが、描いていた絵を児童Bにびしょびしょにされるという仮想的フラストレーション場面と、その場面におけるAの反応を12項目呈示した。呈示された項目それぞれについて、1.児童Aはどのくらい心の中で思っているか、5段階(1.思わない、2.たぶん思わない、3.どちらともいえない、4.たぶん思う、5.思う)で評定させた。次に、2.児童Aはどのくらい口に出して言いそうか、5段階(1.言わない、2.たぶん言わない、3.どちらともいえない、4.たぶん言う、5.言う)で評定させた。児童AとBの性別が男子の男子用と女子の女子用の2種類を用意し、対象児の性別に一致させて配布した。
質問紙は(1)、(2)の順で構成した。
1-3.手続き 無記名方式。学級単位で、担任教師によって実施された。協力校のうち1校では、担任教師によって児童に配布され、児童が自宅などで回答後、担任教師によって回収された学級もあった。
1-4.調査時期 2006年11月下旬。
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