1.自己意識尺度
公的自意識、私的自意識、対人不安意識、自己顕示性について各項目の合計得点を算出し各下位尺度得点とした。
Table 1に各下位尺度得点の平均値と標準偏差を示す。
内的整合性を検討するためにCronbachのα係数を算出したところ、公的自意識でα=.662、私的自意識でα=.596、対人不安意識でα=.760、自己顕示性でα=.720であった。
各下位尺度で男女間の平均値に差があるのかを検討するためt検定を行ったが、いずれも有意な差は見られなかった。
先行研究と同様の傾向が見られるのか検討するため尺度間の相関係数を算出した。
自己意識と対人不安意識、自己顕示性の相互相関をTable 1に示す。
全体では対人不安意識と私的自意識との間ではほぼ無相関であったが、対人不安意識と公的自意識との間には有意な正の相関が見られた(r=.269, p<.01)。
これは菅原(1984)とほぼ同様の結果であった。しかし男女別の相関を見ると、男女でややパターンが異なっていた。
男子では公的自意識と対人不安意識との間に有意な相関は見られなかった。
自己顕示性との相関を見ると、公的自意識と私的自意識ともに正の相関を示した(順にr=.385, p<.01、r=.307, p<.01)。
また女子においては、自己顕示性と対人不安との間に有意な負の相関が見られた(r=-.394, p<.01)。
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