自己意識と制服着装スタイルについて



3)私的自意識と自己顕示性による「希望とのずれ」について
 Table 1より私的自意識と自己顕示性に相関が見られたことから、私的自意識(高群・低群)と自己顕示性(高群・低群)を独立変数として2×2の分散分析を行った(Table 8-4)。

男子
 「2ズボンのすそを踏む」(F(1,50)= 5.27, p<.05)、「8セーター・カーディガンのすそを出す」(F(1,50)= 5.88, p<.05)において交互作用が有意であった。 これにより私的自意識が高く自己顕示性が低い者は、ズボンのすそを踏みたいと思っているが実際にはしていないことが示された。 また私的自意識が高く自己顕示性が高い者はセーター・カーディガンのすそを出したいと思う程度に実際にしており、私的自意識が高く自己顕示性が低い者はしたいと思っているが実際にはしていないことが示された(Table 8-4.1)。

  



女子  私的自意識高群と低群の「希望とのずれ」得点の平均値に差が見られた同様の項目において、私的自意識の主効果が有意であった。 従って自己顕示性の高さに関係なく、私的自意識が高い人は「5ルーズソックスを履く」、「7学校指定外のネクタイ・リボンをする」においてはしたいと思っている程度に実際にしており、 私的自意識が低い人はしたいと思っている程度には実際にはしていないことが示された。
 「3白いハイソックスを履く」においては私的自意識が低い者は履きたくないと思い履いていないが、私的自意識が高い者は履きたいと思っているが実際には履いていないことが示された(Table 8-4.2)。