5.先延ばし行動の類型化
先延ばし行動傾向には、受動的先延ばし行動傾向と積極的先延ばし行動傾向があると考えられている。実際には、個人によって、この2つの先延ばし行動傾向の組み合わせのスタイルがあるだろう。例えば、受動的先延ばし行動傾向のみが高い者や積極的先延ばし行動傾向のみが高い者、受動的先延ばし行動傾向も積極的先延ばし行動傾向も高い者など、個人内における先延ばし行動傾向にはあらゆるパターンが考えられる。そこで、本研究では先延ばし行動類型を検討する。先延ばし行動類型を検討することにより、従来のように受動的先延ばし行動傾向の高低、または、積極的先延ばし行動傾向の高低といったようにそれぞれの傾向を個別に扱うのではなく、先延ばし行動傾向の組み合わせによる検討が可能になる。すなわち、先延ばし行動傾向の個人差を把握することが可能になり、それぞれに応じた示唆を与えることができる。また、それぞれの類型によって、どのように楽観性、自己効力感、評価不安と関連しているかを検討することで、それぞれの先延ばし行動類型の特徴をより詳細に捉えることができるだろう。
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