2.ハーディネスの概念と研究の動向

ハーディネスとは、高ストレス下で健康を保っている人々がもつ性格特性である(hardiness : Kobasa, 1979)。またストレスフルな状況に柔軟に対応してゆける特性のことである(小坂, 1992)。ハーディネスの高い人は一貫してハーディネスの3要素全てが高いとされ、その構成要素は、コミットメント(commitment), コントロール(control), チャレンジ(challenge)3つである(Kobasa, 1979)。コミットメントは、人生の様々な状況に自分を十分関与させる傾向、コントロールとは、個人が出来事の推移に対してある一定の範囲内で影響を及ぼすことができると信じかつ行動する傾向、チャレンジとは、毎日の生活において安定性よりもむしろ変化が人生の標準であるという信念のことである。ハーディネスは性格特性と位置づけられているものの、認知的側面を反映するもので、変容可能なものであると考えられている。(海蔵寺・寺島・岡田,2003

ハーディネス研究は、ストレス反応低減との関連をみた研究が多いようだ。また城(2011)は、3要素共に持ち合わせて初めて、ストレス反応を低減し、健康を維持することが可能であると述べている。西坂(2002)は、ハーディネス全体が高い者はストレッサーの認知が少ないことを報告した。また城(2011)の研究結果では、ハーディネスが高いものはストレス反応が全般的に低いという結果を示した。これらの研究結果から、ストレスマネジメントの手がかりとして注目されている。ハーディネスとストレスの関係を明らかにすることで、変容可能なハーディネスを習得しようという流れもある(海蔵寺・寺島・岡田, 2003 : 廣岡・大橋, 2004)

 

TOPへ戻る 次へ→