【問題と目的】
6.本研究について
「受援力」は、自治体の災害対応部署で最近になってよく使われるようになったが、これまであまり研究の対象となる概念ではなかった。心理学分野においてはほとんど取り上げられることはなかったし、災害研究分野や心理学分野においてもあまり取り上げられていない。災害対応については、依然として問題点や課題も多い状況で、受援力の内容や考え方について検討する意義は大変大きいと言える。そこで本研究では、3つの目的について探索的に検討していく。
第1の目的は、神戸市受援計画を参考に、災害時における組織的対応のあり方について検討し、受援計画がうまく機能するためにはどのような要因が必要なのか検討する。
第2の目的は、受援力については、受援側だけではなく支援側からも検討することで、両者の立場から見た場合の思惑や見解の違いについても明らかにしていくことでより良い受援力とはどういうものか検討していく。
第3の目的は、自治体における受援力と支援力の関係性について検討していく。