6.重回帰分析による検討
6-1.テスト 1週間前のテスト状態不安を従属変数とした重回帰分析
テスト1週間前のテスト状態不安への影響を検討するために、テスト3週間前の要因を独立変数、
1週間前のテスト状態不安を従属変数とした重回帰分析を行なった。不安に関する要因については強制投入法を用い、
その他の要因についてはステップワイズ法を用いた。その結果をTable5に示す。
「テスト状態不安1週間前無視」には「テスト状態不安3週間前無視」から有意な正の影響(β=.50;p<.01)、
「比較テスト観」から有意な正の影響(β=.23;p<.05)がみられた。「テスト状態不安1週間前対処」には
「テスト状態不安3週間前無視」から有意な負の影響(β=-.25;p<.05)、「テスト状態不安3週間前対処」から
有意な正の影響(β=.49;p<.01)、「テスト不安」から有意な正の影響(β=.38;p<.01)がみられた。
「テスト状態不安1週間前ポジ」には「テスト状態不安3週間前ポジ」から有意な正の影響(β=.41;p<.01)、
「テスト不安」から有意な負の影響(β=-.25;p<.05)、「数学苦手意識」から有意な負の影響(β=-.20;p<.05)、
「社会的方略」から有意な正の影響(β=.21;p<.05)がみられた。
6-2.テスト結果不安を従属変数とした重回帰分析
テスト終了後のテスト結果不安への影響を検討するために、テスト3週間前の要因とテスト1週間前のテスト状態不安を独立変数、
テスト結果不安を従属変数とした重回帰分析を行なった。不安に関する要因については強制投入法を用い、その他の要因については
ステップワイズ法を用いた。その結果をTable6に示す。
「結果不安懸念」には「テスト状態不安3週間前無視」から有意な負の影響(β=-.29;p<.05)、
「改善テスト観」から有意な正の影響(β=.26;p<.05)、「比較テスト観」から有意な正の影響(β=.37;p<.01)、
「暗記反復方略」から有意な正の影響(β=.31;p<.01)がみられた。「結果不安逃避」には「テスト状態不安1週間前ポジ」から
有意な負の影響(β=-.33;p<.01)、「テスト状態不安3週間前無視」から有意な正の影響(β=.38;p<.01)がみられた。
「結果不安ポジ」にはどの要因からも有意な影響はみられなかった。
6-3.テスト返却後の得点・不安を従属変数とした重回帰分析
テスト返却後のテスト得点や次回のテストを考えたときの状態不安への影響を検討するために、
テスト3週間前の要因とテスト1週間前のテスト状態不安、テスト結果不安を独立変数、
テスト返却後のテスト得点とテスト状態不安を従属変数として重回帰分析を行なった。
不安に関する要因については強制投入法を用い、その他の要因についてはステップワイズ法を用いた。その結果をTable7に示す。
「テスト得点」には「結果不安懸念」から有意な正の影響(β=.24;p<.05)、
「数学苦手意識」から有意な負の影響(β=-.34;p<.01)、「相対得点低予想」から有意な負の影響(β=-.40;p<.01)、
「比較テスト観」から有意な負の影響(β=-.20;p<.05)、「柔軟的方略」から有意な負の影響(β=-.23;p<.05)がみられた。
「予想点と実際点の差」には「結果不安ポジ」から有意な負の影響(β=-.41;p<.01)、「テスト状態不安3週間前ポジ」から
有意な正の影響(β=.39;p<.01)がみられた。「テスト状態不安返却後無視」には「テスト状態不安1週間前無視」から有意な正の影響
(β=.36;p<.01)、「テスト状態不安1週間前ポジ」から有意な負の影響(β=-.38;p<.01)がみられた。「テスト状態不安返却後対処」
には「テスト状態不安1週間前対処」から正の影響(β=.41;p<.01)「テスト状態不安3週間前対処」から正の影響(β=.36;p<.01)、
「改善テスト観」から有意な正の影響(β=.20;p<.05)がみられた。「テスト状態不安返却後ポジ」には「テスト状態不安1週間前ポジ」
から有意な正の影響(β=.53;p<.01)、「テスト状態不安返却後ポジ」から有意な正の影響(β=.28;p<.01)、「テスト不安」から有意な
負の影響(β=-.32;p<.01)がみられた。