考察


 本研究の目的は,第1に,友人間での“キャラ”にどのようなものが存在し,その“キャラ”がどのように使われているのかを明らかにすること,そして“キャラ”をもつ者にとっての友人関係の特徴,さらに具体的な“キャラ”と友人関係の在り方との関連について検討することである。
 そして第2に,所属している友人グループによって“キャラ”を切り替えることによって,どのような効果があるのか,友人関係の在り方や友人関係満足度と“キャラ”の切り替えとの関連について検討することである。

目的1については,具体的な“キャラ”を調査した先行研究がほとんどないことから,仮説を立てず,探索的な研究とする。
目的2については,以下の3つの仮説を立てた。
 仮説1:相手に応じて自分の“キャラ”を切り替えている場合は,切り替えていない場合よりも,友人関係満足度が高い。
 仮説2:相手に応じて“キャラ”を切り替えている人とそうでない人とでは,友人関係の在り方の傾向に違いがある。
 仮説3:相手に応じて“キャラ”を切り替えている人においては,相手との関係の維持がその動機である。



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