3.友人・友人集団との関係ごとの心理的居場所感とwell-being


 友人・友人集団との関係ごとの心理的居場所感の獲得がwell-beingに与える影響について比較するために,2要因分散分析を行った。個人友人との関係と個人心理的居場所感の高低を独立変数に,主観的幸福感を従属変数とした2要因分散分析と,友人集団との関係と集団心理的居場所感の高低を独立変数に,主観的幸福感を従属変数とした2要因分散分析である。個人でも集団でも交互作用はみられず,仮説5は支持されなかった。個人では独立変数の個人心理的居場所感の高低にのみ,主観的幸福感と全ての下位尺度に主効果がみられたが,個人友人との関係にはみられなかった。集団では,集団心理的居場所感の高低が主観的幸福感と全ての従属変数に主効果をもたらし,友人集団の関係が主観的幸福感と下位尺度「自信」に主効果をもたらした。それぞれの影響はあったものの,個人内,集団内それぞれで,友人との関係と心理的居場所感の高低を組み合わせたことによる,主観的幸福感への影響がみられなかった。



back