6.本研究の目的
鈴木(2006)は,1年間の化粧・衣服の購入数とダイエットの実施期間に焦点をあて,賞賛獲得欲求・拒否回避欲求との関連を調査した。その結果,1年間の化粧・衣服の購入数とダイエットの実施期間の全てと賞賛獲得欲求の関連が示されている。また,吉澤(2012)により,自己呈示の動機としての外見的魅力と賞賛獲得欲求との関連が示されている。これらの先行研究により,賞賛獲得欲求のみが被服行動に関わるとされているが,被服行動により伝えられる情報は多様であり,様々な自己呈示の方略がとられるため,自己呈示の方略によっては,拒否回避欲求も被服行動に影響を及ぼすのではないかと考えられる。
本研究では,これまでに見てきたように被服における自己呈示の方略に着目し,自己意識に関する変数として賞賛獲得欲求・拒否回避欲求を取り上げ,これらとどのように関連しているのかについて検討する。
←back