1. 各尺度の因子分析と下位尺度得点について


1-7.恋人の嫌なところ(男子データの分析)

 全体の因子分析と女子の因子分析との因子構造が異なるか検討するために男子のみのデータで因子分析を行った(最尤法プロマックス回転)。その結果,因子の解釈可能性などから5因子解を採用した(Table12)。

 第1因子は「5. 頑固」「6. 時間にルーズ」「2. 放置される」などの項目が含まれていた。これは,相手の気持ちなどによって振り回されることに対して嫌だと感じていると考えた。そのため『自分勝手』と命名した。

 第2因子は「1. 常識がない」「17. お金にルーズ」「20. ギャンブル好き」などの項目に高い因子負荷量がみられた。よって『常識の欠如』と命名した。

 第3因子は「9. 重い」「22. 束縛する」「10. なよなよしている」などの項目に高い因子負荷量がみられた。よって『依存傾向』と命名した。

 第4因子は「21. ナルシスト」「16. タバコを吸う」の2項目であった。そのため『格好つける』と命名した。

 第5因子は「23. 趣味を優先する」の項目だけの1項目であった。そのため『趣味を優先する』と命名した。

 そして,下位尺度である『自分勝手』『常識の欠如』『依存傾向』『格好つける』『趣味を優先する』の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,『自分勝手』でα=.91,『常識の欠如』でα=.93,『依存傾向』でα=.86,『格好つける』でα=.90,と充分な値がみられた。『趣味を優先する』に関しては1項目であったため信頼性係数を算出していない。



  



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