1. 各尺度の因子分析と下位尺度得点について


1-6.恋人の好きなところ(男子データの分析)

 全体の因子分析と女子の因子分析との因子構造が異なるか検討するために男子のみのデータで因子分析を行った(最尤法プロマックス回転)。その結果,因子の解釈可能性などから6因子解を採用した(Table11)。

 第1因子は「17. 気配りができる」「19. 常識がある」「16. 話を聞いてくれる」などの項目が含まれていた。これは,人との関係調整能力を評価しているものと考えた。そのため,『関係調整能力が高い』と命名した。

 第2因子は「12. 運動神経がいい」「8. 友達が多い」「9. 面白い」などの項目が含まれていた。そのため,『活発で明るい』と命名した。

 第3因子は「13. 無邪気」「18. 笑わせようとしてくれる」などの項目が含まれていた。よって『和ませてくれる』と命名した。

 第4因子は「4. ルックスがいい」の項目だけの1項目であった。そのため『ルックスがいい』と命名した。

 第5因子は「2. 気が合う」「1. 趣味が合う」の2項目であった。よって『好みが合う』と命名した。

 第6因子は「3. お金持ち」の項目だけの1項目であった。これは,相手の経済性に関するものだと判断したため『経済性』と命名した。

 そして,下位尺度である『関係調整能力が高い』『活発で明るい』『和ませてくれる』『ルックスがいい』『好みが合う』『経済性』の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,『関係調整能力が高い』でα=.79,『活発で明るい』でα=.72,『和ませてくれる』でα=.69,『好みが合う』でα=.72,と充分な値がみられた。また,『ルックスがいい』『経済性』については1項目であったため信頼性係数を算出していない。



  



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