5.恋人の嫌なところ,許容度,熱愛度が対処行動に及ぼす影響について
恋人の嫌なところの下位尺度やそれに対する許容度,熱愛度が対処行動に及ぼす影響について検討するために恋人あり群+交際経験あり群,恋人あり群のみ,交際経験あり群のみ,恋人あり群+交際経験あり群(女子),恋人あり群+交際経験あり群(男子)に分けて重回帰分析を行った。交際経験あり群のみの重回帰分析に関しては有意な差は1つもみられなかった。
5-1.恋人あり群+交際経験あり群の重回帰分析による検討
恋人の嫌なところの下位尺度『節度がない』『細かい』『相手にされない』『時間管理ができない』と『許容度』を説明変数,対処行動の下位尺度である『話し合い』『同調』『一方的主張』『回避』『電話』を目的変数として重回帰分析を行いパス図を作成した(Figure1)。
『話し合い』には『許容度』から有意な負の影響(β=-.45 ; p<.05),『同調』には『相手にされない』『許容度』から有意傾向のある正の影響(順にβ=.38,β=.31 ; p<.10),『一方的主張』『回避』には『時間管理ができない』から有意な正の影響(順にβ=.52,β=.44 ; p<.05),『電話』には『細かい』から有意傾向のある正の影響(β=.30 ; p<.10),『許容度』から有意な負の影響(β=-.51 ; p<.01)がみられた。
また,許容度が恋人の嫌なところと対処行動の媒介変数になっている可能性を考え,恋人の嫌なところを説明変数,許容度を目的変数として重回帰分析を行ったが有意な差はみられなかった。
←back/next→