4.集団としての「ももクロ」に対する
好感,魅力,活動に
関する評価
集団としての「ももクロ」について,「ももクロ」をどのくらい好きか,その好感度について,認知を尋ねる13項目について, SMAPの分析と同様に,尺度得点ではなく因子得点を算出し,以下の分析ではグループの好感度に関する認知はこの因子得点を用いて1つの下位尺度とし『調査対象者におけるグループの好感度』得点とした。
「ももクロ」に対する魅力項目の下位尺度得点をTable31に示す。
また,調査対象者がグループをどのくらい好きかによって,グループのどのような点が魅力として捉えられているのか,どのような活動が評価されているのか,さらにグループにどのような印象を持っているのかを調べるために,『調査対象者におけるグループの好感度』得点とグループの魅力,グループの活動の評価,およびグループの印象との相関を調べた。
4-1.「ももクロ」に対する好感度とグループの魅力との相関
魅力についての項目においてSMAPの分析と同様に,『集団凝集性』『役割』『目的目標』『パーソナリティ』『誠実』の5下位尺度で検討を行う。
魅力項目の5つの下位尺度『集団凝集性』『役割』『目的目標』『パーソナリティ』『誠実』と,認知項目の下位尺度『調査対象者におけるグループの好感度』得点との尺度間相関をTable32に示す。その結果,6つの下位尺度は互いに有意な正の相関を示した。
また,魅力要因について調査対象者の男女間の回答の差の検討を行うために,魅力要因の各項目についてt検定を行った。その結果「団結力が強いところ」(t(118)=-2.14 p<.05)「目的・目標を共有しているところ」(t(118)=-2. 31 p<.05)「メンバーが個性的なところ」(t(118)=-2.14 p<.05) (Table33)において,男性より女性の方が有意に高い得点を示していた。
さらに,調査対象者の年齢による回答の年齢差の検討を行うために,魅力項目についてt検定を行った(Table34)。その結果,「協力し合っているところ」(t(119)=2.16 p<.05)「メンバーが個性的なところ」(t(119)=3.14 p<.05)において, 26歳以上より25歳以下の方が有意に高い得点を示していた。
4-2.「ももクロ」に対する好感度とグループの活動評価との相関
グループの活動評価の8項目について記述統計をTable35に示す。
『調査対象者におけるグループの好感度』と各項目との相互相関をTabl36に示す。9つの各項目とは互いに有意な正の相関を示した。
また,グループの活動の評価について調査対象者の男女間の回答の差の検討を行うために,グループの活動評価の各項目についてt検定を行った。その結果,すべての項目において男女の得点差は有意ではなかった(Table37)。
さらに,調査対象者の年齢による回答の年齢差の検討を行うために,各活動評価項目についてt検定を行った(Table38)。その結果,「音楽活動」(t(120)=3.43 p<.05)「バラエティー番組への出演」(t(120)=-2.93 p<.05)「TVドラマへの出演」(t(120)=-2.04 p<.05)「映画への出演」(t(120)=-2.76 p<.05)「奉仕活動」(t(120)=-2.04 p<.05)において, 26歳以上より25歳以下の方が有意に高い得点を示していた。
4-3.「ももクロ」に対する好感度とグループの印象との相関
各下位尺度の記述統計をTable35に示す。「ももクロ」の印象についての2下位尺度『フレッシュさ』『無邪気』と,認知項目の1下位尺度『調査対象者におけるグループの好感度』得点との下位尺度間相関をTable36に示す。3つの下位尺度は互いに有意な正の相関を示した。
また,調査対象者の男女間での回答の差の検討を行うために,グループの印象項目についてt検定を行った。その結果,すべての項目において男女間の得点差は有意ではなかった(Table37)。
さらに,調査対象者の年齢層別の回答の差の検討を行うために,グループの印象項目についてt検定を行った。その結果,『フレッシュさ』(t(120)=3.09 p<.05)『無邪気』(t(120)=2.26 p<.05)で,2つの項目において26歳以上より25歳以下の方が有意に高い得点を示していた (Table38)。
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