【研究1】
検定教科書本文に関する分析結果


 4−1.共起ネットワークの作成

 KH Coder 3 を用いて前処理を実行し,検定教科書より家族愛を扱った本文について単純集計を行った。結果,1134 の文が確認された。総抽出語数(分析対象に含まれているすべての語の延べ数)は 13428,異なり語数(何種類の語が含まれていたかを示す数)は 1724 であった。そのうち付属語など,どのような文章にでもあらわれる一般的な語が除外され,分析に使用される語として最終的に 4578 語(異なり語数 1422)が抽出された。さらに,抽出されなかった語のうち,家族関係を表す基準点となる単語として「ぼく」「僕」「わたし」「私」を強制抽出する語に指定した。次に,抽出された語を元に,文単位で共起ネットワークを作成した(Figure1)。出現数による語の取捨選択の設定・文書数による語の取捨選択の設定は,最小出現数を9,最小文書数を5にそれぞれ設定した。また,描画する共起関係は上位60位を設定した。
 共起ネットワークとは,文中に出現した語について,とある語と別の語の関係を図で表したものである。共起関係,つまり一方が出現しているとき,もう一方も共に出現している,という関係を図示しており,強い共起関係にあるほど太い線で表される。また,語の出現率が高いほど円が大きく表示される。語の色分けは,それぞれのグループを示している。



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