【研究1】
検定教科書の発問に関する考察


 検定教科書に提示されている発問について,「家族愛・家族生活の充実」を扱う26単元のうち19単元が,途中の省略はあるものの,物語内容を問う発問,子ども自身の考えを問う発問,行動を促す・行動を指示する発問の順に発問を提示していた。一方で,行動を促す・行動を指示する発問から発問が始まっている単元は無く,第一の発問に最も多かったのは物語内容を問う発問であった(26単元中15単元)。
 このことから,いきなり価値項目について考えさせるのではなく,価値項目を扱った物語内容の理解を深めることで,間接的に教えるべき価値項目を提示していることが読み取れる。また,先に物語内容を整理し,そこで提示されている価値項目の解釈を例とすることで,教えるべき価値項目について考えやすくしていることが察せられる。
 一方で,物語内容から読み取れる価値項目の解釈は一義的なものであり,検定教科書が物語内で扱っている価値項目について,一定の解釈を正解とするかのような印象を受ける。つまり,提示された解釈に引っ張られた思考となってしまい,児童に「教師向けの『答え』」(船越,2018)を用意させる危険性があると思われる。



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