2. 尺度構成の検討



2-1. 相互独立性−相互協調性尺度

 高田(1999)と同様の4因子構造を使用した。相互協調性と相互独立性それぞれの得点の平均値と標準偏差を求め,その後相互協調性の下位尺度「他者への親和−順応」「評価懸念」と相互独立性の下位尺度「個の認識?主張」「独断性」それぞれの得点の平均値と標準偏差を算出した。また各項目ごと平均値と標準偏差を求めた結果,3項目について天井効果が認められた。2項目(「仲間の中での和を維持することは大切だと思う」「人から好かれることは大切である」については削除したが,残りの1項目(「他者が自分をどう思っているかを気にする」)については相互協調性の下位因子である「評価懸念」を構成する上で重要な項目であると判断し,削除せず分析を行った。各下位尺度ごとクロンバックのα係数を求めたところ,「他者への親和−順応」でα=.50「評価懸念」でα=.70「個の認識−主張」でα=.76「独断性」でα=.77という値が得られた。

2-2認知的評価
 加藤(2001)で作成された認知的評価尺度の3因子構造を使用した。下位尺度の「対処効力感」「脅威性」「重要性」それぞれについて平均値と標準偏差を求めた。どの項目にも天井効果・フロア効果は見られなかったため,そのまま分析を進めた。各下位尺度ごとクロンバックのα係数を求めたところ,「対処効力感」でα=.83「脅威性」でα=.74「重要性」でα=.60という値が得られた。

2-3対人ストレスコーピング
 加藤(2000)で作成された対人ストレスコーピング尺度の3因子構造を使用した。下位尺度である「ネガティブ関係コーピング」「ネガティブ関係コーピング」「解決先送りコーピング」それぞれについて平均値と標準偏差を求めた。どの項目にも天井効果・フロア効果は見られなかったためそのまま分析を進めた。各下位尺度ごとクロンバックのα係数を求めたところ,「ポジティブ関係コーピング」でα=.88「ネガティブ関係コーピング」でα=.82「解決先送りコーピングで」α=.81という値が得られた。

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