考察


本研究では,大学生の過去のとらえ方を知り,過去のとらえ方の違いによって現在の行動や認識にどのような違いがあるのかを検討することを目的とした。現在の行動や認識として,幸せへの動機づけと社会人基礎力を扱い,何を目的として現在を生きているのか,普段どのような行動をとっているのかを見ていくこととした。これらの目的をふまえ,本研究では以下の4つの仮説を立てて検討を行った。

 仮説1:過去のとらえ方尺度の下位尺度「連続的なとらえ」「受容的態度」「わりきり態度」と社会人基礎力の各下位尺度は正の相関を持つ。
 仮説2:過去を受容し,連続的なとらえができている人は,過去を想起する頻度が高く,過去を想起することが好きであるという特徴を持っている。
 仮説3:過去を受容し,連続的なとらえができている人は,社会人基礎力が高く,「幸福追求」が高い。
 仮説4:過去に対して否定的な態度・認識を強く持ち,過去をわりきれていない人は,社会人基礎力が低く,「くつろぎ追求」が高い。



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