2. 尺度構成の検討
2-1. 期待の受け止め方
因子構造は先行研究にならった。まず,下位尺度である「積極的受け止め」「負担的受け止め」「失望回避的受け止め」の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「積極的受け止め」でα=.926,「負担的受け止め」でα=.884,「失望回避的受け止め」α=.800と十分な値がみられた。
2−2.教師の指導行動
因子構造は先行研究にならった。しかし,教師認知尺度(大西ら,2009)の「受容・親近・自信・客観」を本研究では「親近・平等」と名付けた。まず,下位尺度である「親近・平等」「怖さ」「不適切な権力の行使」「適切な叱り」の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「親近・平等」でα=.800,「怖さ」でα=.815,「不適切な権力の行使」でα=.775,「適切な叱り」でα=.601と十分な値がみられた。
2−3.対人葛藤方略スタイル
因子構造は先行研究にならった。まず,下位尺度である「統合スタイル」「回避スタイル」「強制スタイル」「自己譲歩スタイル」「相互妥協スタイル」の平均値と標準偏差を算出した。下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「統合スタイル」でα=.861,「回避スタイル」でα=.847,「強制スタイル」でα=.862,「自己譲歩スタイル」でα=.725,「相互妥協スタイル」でα=.521であった。「相互妥協スタイル」でα係数が低かったため,「お互いの意見を水に流すように主張した」の1項目を削除し,再度α係数を算出した。その結果,α=.652が得られたため,以下の分析では「相互妥協スタイル」はこの因子構造で行った。
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