総合考察
本研究では状態自尊感情と特性自尊感情の2つに着目し,その2つの自尊感情とセルフ・モニタリングが友人関係における自己切替の程度・質にどのように影響を与えているかについて検討した。本研究では以下の6つの予想を立てて検討を行った。
予想1:状態自尊感情と特性自尊感情の両方が高い人はどんな状況でもありのままの自分を受容しているため,自己切替が少なく素に近い自分で接することができるのではないか。
予想2:状態自尊感情が高く特性自尊感情が低い人は,友人関係の中で落ち着いており相手の性格に合わせる自己切替を行う傾向にあるのではないか。
予想3:状態自尊感情が低く特性自尊感情が高い人は, 自分の意見をしっかり持っており,価値観の一致を大切にする自己切替を行う傾向があるのではないか。
予想4:状態自尊感情と特性自尊感情の両方が低い人は,素の自分に自信がないため友人関係の中でも相手の反応に気を配る自己切替を行う傾向にあるのではないか。
予想5:自尊感情の自己切替への影響に,セルフ・モニタリングが関係しているのではないか。
予想6:男性は女性より自尊感情が高く,自己切替が女性よりも少ないのではないか。
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