【結果】
7.パーソナリティについて
7-4.パーソナリティと活動の経験の質の関連について
7-4-1.フロー頻度と実際の活動経験について
身体的活動でのフロー頻度(Kf頻度)と社交的活動でのフロー頻度(Sf頻度)がESM調査で得た実際の活動での経験の質と関係があるかを調べるためPearsonの積率相関係数を算出した。その結果,いずれも相関が見られなかった(Table30-31参照)。これより,フロー頻度とESM調査で得た実際の活動での経験の質には関係があるとは言えなかった。
次に,Kf頻度とSf頻度のどちらの方が実際の活動に影響しているかを調べるため,ESM調査の経験の質を従属変数に,Kf頻度とSf頻度を独立変数に置き,重回帰分析を行った。その結果,いずれの経験においても有意差が見られなかった(Table32参照)。
7-4-2.パーソナリティと活動経験について
実際に行った活動での経験の質の高さがパーソナリティによって異なるかを明らかにするために,ESM調査で得たデータの経験の平均値についてパーソナリティを要因にして一要因分散分析を行った。また,clearデータを用いて分析を行った。その結果,挑戦レベル,能力レベル,充実度,集中度,満足度,楽しさ,コントロール感,無我の程度,他者無意識の程度のいずれにおいても,パーソナリティによる有意差は見られなかった(Table33参照)。これらより,パーソナリティによって活動での経験の質は異なるわけではないことが示された。
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