【考察】
1.フローパーソナリティについて
1-4.心理的well-beingについて
1-4-1.心理的well-beingとフロー率について
フローの多さと心理的well-beingの関係性を明らかにするため,心理的well-beingとフロー率においてPearsonの積率相関係数を算出した(Table15参照)。その結果,フロー率と心理的well-beingに相関は見られなかった。これより,フローの多さと心理的well-beingに関係があるとは言えず,仮説4は支持されなかった。
佐橋(2003)はフロー経験の中核的経験である「集中度」や「統制感」はwell-beingにそれほど関係なく,「楽しさ」や「肯定的感情」が重要だと述べている。つまり,well-beingにはフロー経験の中核である「挑戦」「能力」よりもフロー経験から生まれる「肯定的感情」が影響しているということである。そのためフロー経験の多さは間接的に関係している可能性はあるが,直接的にwell-beingに関係していないことが示唆された。
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