結果




1. 各下位尺度の記述統計量及び信頼性

 各下位尺度の記述統計量と信頼性係数をTable 1に示す。因子構造は先行研究の通り使用した。

 親への愛着 
因子構造は丹羽(2005)の親への愛着尺度をもとに,対象を父親・母親に分けた4因子構造とした。「父親愛着不安」「父親愛着回避」「母親愛着不安」「母親愛着回避」の平均値,標準偏差を算出した。また,下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「父親愛着不安」でα =.91,「父親愛着回避」でα =.89,「母親愛着不安」でα =.94,「母親愛着回避」でα =.88と十分な値がみられた。

多次元共感性
因子構造は鈴木・木野(2008)の多次元共感性尺度にならった。「被影響性」については,愛着に先行する要因であると考えられているため除外し,共感性は4因子構造とした。「他者指向的反応」「想像性」「視点取得」「他者指向的反応」の平均値・標準偏差を算出した。また,下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「他者指向的反応」でα =.64,「想像性」でα =.72,「視点取得」でα =.73,「他者指向的反応」でα =.64と十分な値がみられた。

 愛他行動
因子構造は永井(2011)にならい3因子構造とした。「不干渉」のみ2項目であったため,「心理的援助」と「日常的援助」の項目数と同様,3項目追加し5項目とした。 「心理的援助」「心理的援助」「不干渉」の平均値・標準偏差を算出した。また,下位尺度ごとにCronbachのα係数を算出した結果,「心理的援助」でα =.81,「日常的援助」でα =.67,「不干渉」でα =.79と十分な値がみられた。





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