初めに
1.1 初めに
私たちは日々他者とコミュニケーションを取っている。大学生は、学内の授業のみならず、アルバイト、サークル活動、部活動等で多くの人と関わる。中学校、高校と比べると、多くの人と関わり、コミュニケーションを取る場面が多い。多くの人と関わる大学生は小、中学校とは異なり、「心理社会的モラトリアム」(Erikson,1959)という言葉に代表されるように、自由に自ら学び、社会的な責任や義務もある程度猶予された立場にあり、友人関係、異性との交流といった対人関係における課題に直面し、アイデンティティが成されていくと坂(2012)は述べている。つまり、大学生は多くに人と関わる中で、アイデンティティが確立される重要な時期なのである。しかし多くの人と関わる中で、加藤(2001)は青年にとって対人関係に関するストレスイベントは避けることのできないイベントで、ストレスフルなイベントの中でも比較的大きな割合を占めていると述べている。大学生は人と関わることでアイデンティティを確立するが、人と関わることによるストレスによって、人と関わることが億劫になったり、引きこもりがちになったりしてしまうとアイデンティの確立が妨げられる可能性があると考えられる。これらのことからも対人ストレスに対処する必要があると考えられる。
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