7.コロナ禍
7.コロナ禍
不本意入学者の大学適応への影響要因として,先行研究からは他者の存在が重要視されている(大隅・小塩・小倉・渡辺・大崎・平石,2013;古木・森田,2009;菅沼,2015;矢島・石川,2014)。しかし,2020年度大学入学者は,新型コロナウイルス感染症の影響で,大学の授業がオンライン授業となり,部活・サークル活動も制限された中,新たに友人を作ったり,大学内で友人と関わったりすることが以前に比べ困難になった。文部科学省「各大学における経済的に困難な学生に対する支援状況や中途退学者・休学者の状況等についての調査」(2021)によると,新型コロナウイルス感染症の影響よる中退者は1,367人,休学者は4,434人であると分かっている。新型コロナウイルス感染症による影響で,入学後の大学において友人からのサポートを十分に受けられない環境における大学適応について検討することは,先行研究とは異なる知見が得られるのではないかと考える。そこで2020年度入学者を対象に,不本意入学者が大学に適応していくプロセスへの影響要因についてもあわせて検討を行う。
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