4.本研究の目的


 安達(2020)が行った仮想的有能感と学業的援助要請の研究では,援助要請をしない要請回避については触れられていなかった。また,教師への信頼感の関連についても検討はまだ行われていない。そのため,本研究では,生徒の教師に対する信頼感尺度を使用し,教師に対する信頼感が仮想的有能感の高さにどのように影響し,要請回避を含めた学業的援助要請との関連を検討する。また,学業的援助要請をどのような特徴をもつ教師に対して行うか,援助対象者についても教師認知尺度を用いて検討をしていく。
 
 調査は,大学生を対象に行い,生徒の教師に対する信頼感尺度,教師認知尺度,学業的援助要請尺度については,「高校時代を振り返り,自分の話をよく聞いてくれた先生を思い浮かべて回答してください。」と教示し回答を求めることとする。仮想的有能感の高い人が,信頼している教師へどのような学業的援助要請を行うかを調査するため,生徒の教師に対する信頼感が構築された状態である高校時代を振り返り回答を求めていく。なお,教師認知尺度に関しても,思い浮かべた教師について特徴を検討していくため,同じ教師を思い浮かべたまま回答を求めていく。



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