3. 仮想的有能感の分類
仮想的有能感は無意識的なものであり,直接捉えにくいため他者軽視の傾向を測定することで,他者軽視の強さに対応し仮想的有能感が存在するとされている(速水,2011)。しかし,これでは自身のポジティブな経験に基づいて他者を低く評価している場合も仮想的有能感として測定されてしまう。そこで,仮想的有能感尺度と自尊感情尺度を併用し,有能感を4つに分類することが提案されている(速水他,2004)。本研究では,この仮想的有能感尺度と自尊感情尺度を用いた分類方法に倣い,有能感を分類した。仮想的有能感(M=2.35)と自尊感情(M=3.01)の平均値を基準にそれぞれの高低の組み合わせで,仮想的有能感を4類型に分類した。その結果,自尊型33名,全能型40名,萎縮型57名,仮想型52名であった。
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