面接について


面接の基本的な質問について詳述する。
 
5-1過去に努力したが成果につながらなかった経験

はじめに,成果につながらなかった努力経験をしたことがあるかどうかを尋ねるために,「過去に努力したが成果につながらなかった経験をしたことがあるか」について尋ねた。原則としてこれまでの経験の中で最も印象に残っている経験の回答を求め,そのような経験がないと回答した場合には「現在努力していることはあるか」について尋ねた。各活動については,従事していた期間,始めたきっかけ,掲げていた目標,活動頻度とその内容,印象等を順番に具体的に回答するように求めながら尋ねた。

5-2携わった人物

次に成果につながらなかった努力経験に携わった人物にはどのような人物がいるか,またどのように携わり,どのくらいその努力経験に深く携わったのかを尋ねるために,その努力経験に携わった人物(必要に応じて,「助けてくれた人」,「応援してくれた人」と補足した)について回答させた。具体的にどのように携わったのか,どれくらい深く携わったのかについても回答させた。より携わった人の努力経験への影響を尋ねるために,「携わった人がもしいなかったら,その努力経験に影響はあるかとその理由」について尋ね,協力者に状況を連想してもらって回答させた。

5-3努力経験を今どのように捉えているか

次に成果につながらなかった努力経験をどのように捉えているかを尋ねるために,「努力経験を今どのように捉えているか」(必要に応じて,「その経験をどう思っているか」と補足した)について回答させた。回答にあたっては必要に応じて,「今その経験を振り返ってみるとどのように捉えているか」「結果ではなく努力した過程をみたときに,どのように捉えているか」と補足した。その後,その経験がポジティブな経験かネガティブな経験か,またそのように考えた理由の回答を求めた。ポジティブな経験と回答した協力者には,「反対にネガティブな側面は考えられるか」を尋ねた。その後,どのくらい肯定的(または否定的)に努力経験を捉えているかを尋ねるために,ポジティブな経験とネガティブな経験の比率について質問した(ポジティブな経験とネガティブな経験の比率は本論文では扱わない)。

5-4努力観との関連

次に,面接前に記述させた十答法と,面接で回答した成果につながらなかった努力経験が関連しているかを尋ねるために,十答法を記述した紙を協力者に提示して,「今回回答してもらった成果につながらなかった努力経験と,事前に記述した努力観(十答法)とで,関連しているものはあるか」について尋ねた。成果につながらなかった努力経験の中で,どのような場面で,努力観との関連がみられたのかを具体的に回答させた。

5-5今後の努力に対する理想について

最後に「今後の努力に対する理想像」について回答させた。尋ねる際は,協力者が回答しやすくなるように,「将来努力する場面に遭遇した時に、あなたはどのように努力したいと考えるか」「将来努力する場面を具体的に想像して」という表現を用いて説明し,今後の努力に対する理想について尋ねた。また,今後の努力に対する理想ができそうかどうか,どのくらいできそうかどうかの確率(以上は本論文では扱わない)を回答させた。
 


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