研究1
3-4.質問紙の構成
質問紙は、被験者が所属している LINE グループのコミュニケーションに対する満足感についての回答を求めた。また、フェイスシートにおいて、「LINE 利用に関するアンケート調査」と称し、本研究の調査に協力することの同意の確認を行い、年齢、性別、職業、を尋ねた。最後に自由記述欄を設けた。
3-4-1.LINEの利用状況
現在スマートフォンを利用しているか、LINE を利用しているか、LINE のグループ機能を利用しているかについて尋ねた。
3-4-2.LINEグループの概要
被験者が所属している LINE グループの中で、comcon 型、wheel 型のフォーマルグループをそれぞれ 1 つずつ想起してもらい、グループの人数、関係性について自由記述で回答を求めた。フォーマルグループについて「公式的に地位や役割が定められている集団。例:学部や学科の連絡用グループ、サークルや部活のグループ等」と説明を記載した。comcon 型、wheel 型の説明については、Figure2 の様な図を示し、comcon 型を「メンバー全員が平等にかつ相互にコミュニケーションを取っているグループ」、wheel 型を「一部のメンバーのみよく発言し、他のメンバーはあまり発言しないことが多い。C と D の間には会話が無いなど、メンバー全員が必ずしも相互にコミュニケーションを取っているわけではないグループ」と説明を記載した。また、メンバー間の上下関係の有無について 4 つのパターンから該当するものを選択してもらった。具体的な選択肢は以下の通りである。
①「先生や先輩がいるなど、上の上下関係のみある」
②「後輩がいるなど、下の上下関係のみある」
③「先輩と後輩がいるなど、両方の上下関係がある」
④「メンバーの間に上下関係がない」
3-4-3.グループに対する満足度
comcon 型、wheel 型のそれぞれのグループについて、どの程度満足しているかについて尋ねた。質問項目は Downs & Hazen(1977)の CSQ 尺度を基に、計 24 項目で作成した。CSQ 尺度から「コミュニケーション風土満足度(communication climate)」「上司とのコミュニケーション満足度(relationship to superiors)」「メディアの品質満足度(media quality)」「同僚コミュニケーション(horizontal and informal communication)」「部下とのコミュニケーション満足度(relationship with subordinates)」の 5 因子を使用した。回答者の多くが大学生であることが予想されたため、質問項目において「社内」を「グループ」に置き換え、「上司とのコミュニケーション満足度」「部下とのコミュニケーション満足度」については「上司」を「先生や先輩」、「部下」を「後輩」と置き換え、グループ内に先生や先輩、後輩がいる人のみ回答してもらった。「他の部署の従業員との横のコミュニケーションが正確であり、自由に行われている程度」という項目は、今回筆者が調査したい内容とはそぐわないと判断し項目を削除した。「各項目に最も当てはまるものを選んでください」という教示のもと、「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満足」「不満足」の 5 件法で回答を求めた。
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