4.結果
4-2.組織コミュニケーション満足度の差
4-2-1.コミュニケーション構造による満足度の差
comcon 型と wheel 型による組織コミュニケーション満足度の違いを検討するため、CSQ尺度 15 項目について対応のない t 検定を行った(Table3)。
項目 1「グループのコミュニケーションが、目標達成に向けたやる気を起こし、刺激する程度」、項目 3「グループのコミュニケーションが、自分とグループと一心同体であり、グループの不可欠な一員であると感じさせてくれる程度」、項目 4「課題や仕事に必要な情報をタイミングよく受け取れる程度」、項目 14「グループにおいて、コミュニケーションに対する態度が、基本的に健全である程度」、項目 18「グループ内の仲の良さ」、項目 19「グループの普段のコミュニケーションが活発で正確である程度」の 6 項目において、comcon 型が wheel 型よりも有意に満足度が高かった。さらに、comcon 型と wheel 型の各因子平均を算出し、対応のない t 検定を行った(Table4)。その結果、第 1 因子「グループ内意思疎通満足」のみ comcon 型が wheel 型よりも有意に満足度が高かった(t(178)= 6.745, p <.001)。
4-2-2.上下関係の有無による満足度の差
wheel 型において、グループのメンバーの間に上下関係がある場合と無い場合でのコミュニケーション満足度の違いを検討するため、CSQ 尺度 15 項目のうち、メンバーの間に上下関係があると答えた人、無いと答えた人の両方に回答してもらった第 1 因子と第 2 因子の 8項目について対応のない t 検定を行った(Table5)。全ての項目において上下関係があると答えた人の方が上下関係が無いと答えた人よりも比較的満足度が高かったが、その差は有意ではなかった。各因子平均でも t 検定を行ったが有意な差は見られなかった。(Table6)。comcon 型については、メンバーの間に上下関係が無いと答えた人が約 90%とほとんどだったため上下関係の有無による違いの検討(t 検定)は行わなかった。
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