結果と考察(3事例を通して)



<4節:3つの事例を通しての考察>
 ここからは,上記3事例のインタビュー結果を比較し,それぞれのカップルに共通してみられた結果,あるいは相違点(つまり各カップルの独自性)について考察していく。

4-1.LINEの役割と日常的な報告
 3事例に共通してみられた傾向について考察する。 まず,LINEで交わすメッセージの役割に関して,いずれのカップルもお互いの安否確認を主な目的としていることが分かった。今回調査に協力してくれた三組のカップルは,いずれも同棲しておらず,また直接会う頻度も基本的に週に一回程度であった。そのため会っていない時間の方が長く,今何をしているのか,どこにいるのか,誰といるのか等,相手の状況を知ったり自分の状況を知らせたりするための連絡ツールとしての役割が大きいと考えられる。
 それに伴い,LINEトークで話される内容は,学校,アルバイト,仕事等の開始や終了を知らせる報告や,朝の挨拶が中心であった。Goldsmith & Baxter (1996) によると,恋人同士の会話では,その日にあった出来事の報告,朝の習慣的な会話,冗談,うわさ話,好意や愛情の表現,遊びの計画などが頻繁に話されていたという。友人や家族等,恋人以外の関係同士の会話と比較すると,恋人同士の会話は,その日にあった出来事の報告,朝の習慣的な会話,好意や愛情の表現が多いことが特徴的であったとされる。今回の調査結果においても,同様の結果が得られたといえる。 本研究では,多川・吉田(2006)の研究を参考とし,今の状況を知らせる内容の発話を「日常的な報告」 と呼ぶこととするが,日常的な報告は恋愛関係の維持継続に良い影響を及ぼすといい,その理由は2点ほど考えられる(多川・吉田,2006)。
 1点目は,日常的な情報の共有が即座になされることだ。それにより,その時のお互いについての理解が増し,相手の行動をよりよく予測できるなどの効果をもたらすと考えられる。しかし日常的な報告は,自己開示の文脈からすれば,内面性の低い些細な会話だと捉えられる可能性もある。そもそも対人関係の親密化の過程において,自己開示は内面性の低い開示から高い開示へと次第に深まっていくと考えられており (Altman & Taylor, 1973; Taylor & Altman, 1987),また,対人関係の発達を記述した理論 (Kerckhoff & Davis, l 962; Lewis, l 973; Murstein, 1970) をみても,表面的な情報の交換から価値観の類似性や役割の適合性を確認するための内面性の高い会話へと進展していくと仮定されている。しかし,多川・吉田(2006)の研究結果から,日常的な報告と愛情,親密性の間には正の相関がみられ,また異性友人群や片思い群に比べて恋愛群(恋愛関係にある異性同士)の方がその影響が顕著であることが明らかになっており,恋愛関係における日常的な報告の重要性が示唆される。つまり関係の良好さに寄与する要因として,会話の内面性の高さだけではなく,一見たわいもない会話に見えるお互いの日常的な話題,そして即時的な情報交換も大きな影響を与えていると考えられる。
 2点目の理由は,二人の関係が気の置けない親密な間柄であることを確認する効果をもつことである。Watzlawick, Bavelas, & Jackson (1967) によると,コミュニケーションには5つの原則 (communication axioms) の存在が確認できるといい,その中の1つに 「会話によって伝達されるメッセージには具体的な内容と関係性についてのメッセージの2種類がある」とある。このことから,日常的な報告は具体的な情報を伝達するだけでなく,〝私たちはたわいもない話題でも気兼ねなく話せる関係である″〝互いに関する情報はどのような事柄でも共有する親密な関係である″という二人の関係性の深さについてのメッセージも伝達していると考えられる。そのため,三組全てのカップルにおいて,頻度に差はあるものの毎日欠かさずLINEトークで日常的な報告をしていたのは,相手に心配をかけないようにすることに加え,日常的な報告をやめてしまうと,自分たちの関係性を良好なものにしておく意思がないと相手に捉えられてしまう可能性があり,そういった事態を避けるためでもあると筆者は考える。

4-2.LINEトークにおける絵文字使用について
 次に,通常時友人等に対する絵文字使用態度について,3組のカップルの男性側は全員,非使用型をとっていた。これまでに,メールにおける顔文字の付加には性差があり,男性においてその頻度が少ないこと(Witmer&Katzman,1997;Wolf,2000;村瀬・井上,2003),および男性同士が顔文字のやりとりをするのは気持ち悪いという規範が一部の人間の間で存在していること(荒井,2005)が報告されており,顔文字と同様,絵文字にも同じことが言えると考えられる。本研究の結果は先行研究での示唆に合致していると言える。一方女性については,従属的使用型と自立的使用型の態度がみられたが,絵文字を付加するかどうかの選択には,相手の絵文字使用の有無よりもその時々のメッセージが交わされる速度に関係することが分かった。例えばメッセージの交換が即座になされるとき,わざわざ絵文字を付加していると時間がかかってしまい,素早い返信ができなくなってしまうと考えられ,こういった場面では絵文字の使用は抑制される。また,絵文字を付加することで得られる効果の一つとして,付加しない場合に比べて,受信者は送信者がより外向的でフレンドリーであると評価することが報告されている(Fullwood & Martino, 2007; 竹原・佐藤,2003)。このことを考慮すると,メッセージのやりとりが即座に行われるとき,相手は自分に対して心を開いてくれているのだろうという推測が働き,絵文字を付加しなくともすでにメッセージ交換の速度が二人の関係の良好さを表していると考え,絵文字付加が抑制されると筆者は考える。
 それをふまえた上で,3組のカップルにおける恋人同士のLINEトーク場面での絵文字使用について見ていく。カップルⅠとカップルⅡは,関係初期において絵文字を多用していた。その理由は以下のように大きく三つに分けられる。
 一点目に,絵文字を付加すると,メッセージ内容の感情伝達を促進する効果が発揮されることだ。カップルⅠとカップルⅡは絵文字を付加する理由について「文章の意図をはっきりさせるため。」「誤解されないように感情を上乗せする。」と述べていた。先行研究では,メッセージが有する感情価に一致した感情を表現する顔文字を付加することで,受信者がメッセージから感じる感情の度合いが促進されることが示されている(竹原,2007;竹原・栗林・武川・水岡・瀧波,2005;竹原・佐藤,2004)。カップルⅠとカップルⅡにおいても,絵文字の感情伝達促進効果を利用して,文章だけでは伝わりづらい感情を絵文字で補う,あるいは強調する狙いをもって絵文字を使用していると考えられる。
 二点目に,ポジティブな印象を喚起するためである。田口(2005)によれば,メッセージに顔文字が付加されると「明るくおもしろい」といったポジティブな印象を与えるという。また,北村・佐藤(2009)は表情以外の絵文字の付加による影響について検討しており,それらの絵文字を付加することもまた,親近感やポジティブさの印象を全般的に増加させることが分かっている。カップルⅠとカップルⅡはそれぞれ,絵文字を付加する理由について「メッセージのやりとり自体が楽しいと感じていること/テンションが高いことを伝えるため。」「好感度が上がるから。」と述べていた。相手からのメッセージに絵文字が付加されていると,相手の伝えたい感情が分かりやすくなるため,気持ちを推測し慎重になる必要がなくなる他,相手が自分とのメッセージのやりとりにおいて絵文字を選択し付加するという手間をかけてくれたことが分かったり,あるいは文面に色味が加わり視覚的に賑やかで楽しげな雰囲気が作り出されたりする。これらの効果によって,ポジティブな印象を喚起していると考えられる。
 三点目に,ネガティブな印象を抑制するためだ。絵文字を付加することによりポジティブな印象が増す一方で,絵文字がない場合にはネガティブな印象を強めてしまう。カップルⅠとカップルⅡはそれぞれ,絵文字を付加する理由について「怒っている/元気がないと思われないようにするため。」と述べていた。相手が日頃から絵文字を使用する人であればなおさら,絵文字が付加されていないメッセージが送られてきた場合には戸惑いを感じるだろう。彼らが絵文字を使用する目的の一つとして,絵文字を使用しなければ相手にネガティブなイメージを与えてしまうかもしれないというリスクを回避することがあると考えられる。カップルⅠとカップルⅡが関係初期に絵文字が使用されていた要因として以上3点が明らかになった。 
 加えて先行研究では,顔文字は現代方言に近く,会話をくだけたものにしたいという意思表明の機能と,自分たちは同一地域社会に帰属する親しい仲間同士であることを確認し合える機能をもつ(荒川,2005;小林,2004)ことが報告されている。このことも,カップルⅠとカップルⅡが関係初期に絵文字が多用していた要因の一つである可能性がある。
 ここでカップルⅠは,友人の紹介によって知り合っているため,お互いにいずれ交際することになるかもしれない人だという意識をもって接していると思われる。さらには,リュウトとユウカはともに,連絡を取り始めてすぐに「ビビッときた。直感で合うと感じた。」と話している。カップルⅡにおいては,タクマがマリの容姿に惹かれたことから,食事に行って話してみたいという気持ちが大きかったという。どちらのカップルも関係初期には,両者ともに,あるいはどちらか一方が,相手のことが気になっている状態であったといえる。そのような中で,相手に嫌われないようにしたい,良い印象をもたれたい,と考えるのはごく自然なことである。その気持ちが,普段は絵文字の非使用型態度をとっていた男性を動かしたのではないか。絵文字を付加することを面倒だと思うよりも,相手に好かれたい,相手との関係を良好なものにしたいという気持ちのほうが大きくなり,絵文字を付加するようになったと考えられる。また,女性が絵文字を使用しているのに合わせて使うようになったとも考えられる。返報性の規範(小川,2000)が生じ,相手が絵文字を使用してくれたことに対し,自らも相手に絵文字を使用したのではないか。そしてその後,どちらのカップルも交際後徐々に絵文字付加量が減少していることが分かった。カップルⅠとカップルⅡはそれぞれ,絵文字付加量が減少した理由について「相手との関係性やLINEのやりとりに慣れてきて,当初ほど気を張らなくてもよくなったから。」「文字だけのメッセージでもその意図を汲み取ってくれるだろうと思うようになったから。」「絵文字をつけていなくても怒っているわけではないことを分かってくれていると思うから。」と述べていた。このことは,親しい相手の方がそうでない相手よりも透明性の期待が高く,親しい相手に対しては自分の気持ちが十分伝わっていると感じるために,感情伝達を補足するための顔文字の使用量が少なくなる(山本・木村,2016)という報告に一致する。また,大坊(1990)は,高度に親密な段階になると察知や以心伝心が発揮される(メタ・コミュニケーションの発揮)ため,むしろ現象としてのコミュニケーションが減退するとしている。この場合,現象としてのコミュニケーションは絵文字の使用に該当し,交際期間の経過とともに互いの理解度が上昇することで,絵文字の力を借りずとも文面だけでその意図が相手に正確に伝わるようになると考えられる。さらに,恋愛関係の始まりは,新奇さや覚醒を経験することによって特徴づけられるのに対して,関係の中期の特徴は,なじみ,予測性や認知的,情動的緊張の低減にあるという(大坊,2004)。
 関係初期には,相手へのアプローチも探り探りで,どうにかして好意を抱いてほしいと必死になったり,恋人同士になり初めは毎日が刺激的であったりしても,交際が順調に続いていくうちに,その関係性に慣れ,刺激や緊張感もなくなってくると考えられる。安心感が増すともいえるだろう。その結果,無理に絵文字を多用しようとはせず,自分が楽なようにメッセージを送ることができるため,本来とっていた非使用型の態度へと近づいていくのではないか。カップルⅠとカップルⅡにおいて,交際後徐々に絵文字が減少してきた理由はこのように考えられる。
 一方カップルⅢでは,前述した2組のような絵文字使用の傾向はみられなかった。
 ダイキは交際前から今まで,一貫して絵文字を使用しておらず,ミユキを含め誰に対してもどんな時でも非使用型の態度をとっている。高校入学直後,交際を開始するにあたり,文末に何もついていないと元気がないように思える,とミユキに言われたことを機に,ビックリマークや「…(笑)」を付加するようになったというが,それ以外の文字や記号(クエスチョンマークを除く)は一切使用していないという。ミユキは,高校を卒業する頃までは顔文字を主に使用していたが,大学入学以降は絵文字を使用するようになった。その当時の流行りに合わせていたといい,ダイキとの親密性の変化によるものではないと思われる。カップルⅢにおいて,関係初期に絵文字使用がみられなかった理由として,互いを恋愛対象として意識するまでに友人としての期間が長かったことが考えられる。友人関係でいた時期のLINEトークでのやりとりから絵文字使用はみられなかったため,その延長で,恋人関係となっても何も変化がなかったのではないか。

4-3.LINEトークにおける連絡頻度について
 次にLINEトークの連絡頻度について,カップルⅡとカップルⅢにおいては,交際後徐々に減少していることが分かった。ここでも,恋愛関係の始まりは新奇さや覚醒を経験することによって特徴づけられるのに対して,関係の中期の特徴は,なじみ,予測性や認知的,情動的緊張の低減にあること(大坊,2004),関係の初期から親密さが増す過程では,いずれのコミュニケーション・チャネルにおいてもその活発さは上昇するものの,親密さがある程度高くなった段階で停滞し,さらに親密さが増すと現象としてのコミュニケーションが減退するという曲線的な関係があること(和田,1990;大坊,2003)が要因として挙げられる。つまり当初は,刺激的で相手からの返信を待つ時間でさえ楽しみにしていたものが,時間の経過とともにその新鮮味が薄れ,日常と化していく。それに伴い返信のスパンも長くなったのだと考えられる。あるいは,関係初期には,連絡を頻繁に交わすことで相手との距離を詰めようとしていたが,恋人関係になることができ順調に関係を構築していくと,その必要がなくなり,連絡頻度が減少したのではないか。
 またカップルⅡにおいては,マリが就職と一人暮らしの開始により忙しくなったこともその要因だと考えられる。ここで,LINEトークでの連絡頻度が減少した代わりにLINE通話の利用が増えたことに注目すると,トークと通話とを合わせた連絡量は大きく変化していないと思われる。LINEトークだけをみると連絡頻度は減少しているが,それより手軽で,家事をしながらでも繋いでいることのできる通話へとシフトしたのではないか。
 一方カップルⅠは,関係初期から交際後現在まで,LINEトークの頻度は変わっておらず,一定して高い頻度でメッセージを交わしていることが分かった。勤務中,就寝中を除いては,最大でも2,30分以内に返信が返ってくることがほとんどで,2時間以上空くと心配になるという。大体このくらいの時間以内には返信をしてくれるという推測が働くため,しばらく返ってこないと,相手の身に何かあったのではないか,何か悪いことをして怒らせてしまったのではないか,あるいは自分への気持ちが冷めてしまったのではないか,とあれこれ思考を巡らせるのだと思われる。また,恋人関係における連絡頻度は,会えない時でも相手と常に繋がっていたいと思う依存の程度にも関連すると予想されるが,今回のインタビューではそのような内容の話を聞くことができなかったため,この点については省略する。
 ここまで,3組のカップルのLINEトークにおける連絡頻度の変化について見てきたが,考慮しなければならないのがその交際期間の違いである。カップルⅡはインタビュー当時,交際開始から約1年と10か月,カップルⅡは約6年と半年が経過しており,それぞれ交際後約4か月,交際後約1,2年の間頻繁にLINEトークのやりとりをした後,その頻度が減少していったというが,カップルⅠはインタビュー当時,交際開始から1年1か月が経過する頃であった。今回の調査では,交際期間が短めのカップルと眺めのカップルとを意図的に選んで実施しているため,連絡頻度のパターンを3組同じように比較することの問題については指摘されるかもしれない。つまりカップルⅠにおいても今後LINEトークの連絡頻度が減少していく可能性はある。しかしカップルⅠの二人から「これからもLINEの頻度は変わらないと思う。」という発言が得られたこと,また,それぞれのカップルの現在までの様子を丹念に追っていくという本研究の目的に立ち返った上で,ここではLINEトークでの連絡頻度について,カップルⅠは〝高頻度/変化なし",カップルⅡとカップルⅢでは〝関係初期に高頻度/のち減少″というように結論づける。

関係の維持と自己開示
 さらに,3組のカップルにおいて,いずれのカップルも険悪や雰囲気や関係破局の危機に陥った経験があることが分かった。その都度二人で話し合い,関係を修復,維持してきたという。問題が生起したとき,話し合いを避けたり別れ話を持ち出したりするような行動よりも,問題について話し合ったり,両者の妥協点を見出そうとしたりするような建設的な行動のほうが関係の良好さにつながる(Rusbult,Johnson,&Morrow;1986)という研究結果に一致し,彼らはいくつかの危機から目を逸らさずに向き合い,それを乗り越えながら関係を構築,維持してきたと考えられる。
 この点については,3組の共起ネットワーク図から,カップルⅠにおいて「お互い-思い-言う」,カップルⅡにおいて「嫌-いえる-気持ち」,カップルⅢにおいて「意見-不満-言う」という語の繋がりがあることが読み取れる。インタビュー内容と合わせて見ると,交際後徐々に,あるいは何らかの出来事をきっかけに,お互い自分の思っていることを相手に素直に伝えることができるようになったことが分かる。大本・坂部(2020)によると,相手との関係が壊れることを恐れるのではなく,相手のことを想って,また関係をよりよくするために,相手の悪いところを指摘したり,自分の気持ちや意見,不満を素直に伝えたりすることが重要であり,それができるということは,相手に受け入れられているという安心感,信頼感があることが前提になっているという。3組のカップルにおいても,そういった安心感や信頼感を獲得していくうちに,関係の崩壊を恐れずに思いを伝えることができるようになったと考えられる。また,先行研究で示唆されたとおり,対人関係の発展において,自己開示は内面性の低い開示から高い開示へと次第に深まっていくことが今回の調査対象者らにおいても言えるだろう。
 下斗米(1990)によると,自己開示は対人関係の親密化において,自他の類似性・異質性を認知し,互いの行動調整を促すことが主な役割だという。またHarvey&Omarzu(1997)は,互いに自分を開示し合い,かつ推測し合うことを繰り返すことが,自他の親密さを維持し,崩壊を避けるために重要な保守過程であるとしており,ともに自己開示の重要性を示唆している。開示する内容そのものは様々であるが,心の中で思っている否定的な事項を相手に打ち明けるという意味では,打ち明けられるまでは他方はそのことを明確には知らないわけであり,親密な関係であるからこそ,自己開示の行動や行為が重要な意味を持つといえる。交際後,互いに段階を踏みながら自己開示を行い,気を許せる関係になっていくことで,喧嘩や意見の衝突が増える一方,自分や相手を見つめなおし,さらによい関係を作り上げることができると考えられる。

 




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