結果
恋愛経験の有無と恋愛志向性の違いが異性との対人葛藤対処方略の選択に及ぼす影響の検討
恋愛経験の有無と恋愛志向性の各群の人数をクロス集計表にまとめた(Table3参照)。
恋愛経験の有無と恋愛志向性の違いが対処方略の選択に及ぼす影響を検討するため,対人葛藤方略スタイルの各因子と恋愛経験の有無,恋愛志向性との二要因の分散分析を行った(Table4参照)。
統合スタイルでは,恋愛経験の有無と恋愛志向性においての有意な交互作用がみられなかった(F(1,167)=.327,p≦.568)。恋愛経験の有無(F(1,167)=.897, p≦.345)と恋愛志向性(F(1,167)=1.053,p ≦.306)の主効果の有意差は見られなかった。
回避スタイルでは,恋愛経験の有無と恋愛志向性においての有意な交互作用がみられなかった(F(1,167)=2.237,p≦.137)。恋愛経験の有無(F(1,167)=1.159,p≦.283)と恋愛志向性( F(1,167)=.948,p≦.332)の主効果の有意差は見られなかった。
強制スタイルでは,恋愛経験の有無と恋愛志向性においての有意な交互作用がみられなかった(F(1,167)=.001,p≦.972)。恋愛経験の有無(F(1,167)=.641,p≦.424)と恋愛志向性( F(1,167)=.004,p≦.951)の主効果の有意差は見られなかった。
自己譲歩スタイルでは,恋愛経験の有無と恋愛志向性においての有意な交互作用がみられなかった(F(1,167)=.207,p≦1.606)。恋愛経験の有無(F(1,167)=.882,p≦.349)と恋愛志向性( F(1,167)=4.4504,p ≦.035)の主効果において,恋愛志向性の主効果が5%水準で有意差がみられ,「欲しい」群が「不要」群よりも値が大きかった。
相互妥協スタイルでは,恋愛経験の有無と恋愛志向性においての5%水準で有意な交互作用がみられた(F(1,167)=5.388,p≦.021)。そこで,単純主効果の分析を行った。その結果,恋愛経験の有無の「あり」群において恋人志向性の単純主効果が有意( F(1,167)=12.723,p <.001)であり,恋人を欲しいと思わない群が有意に大きな値を示し,恋愛志向性の「不要」群において,恋愛経験の有無の単純主効果が有意( F(1,167)=6.662,p≦.011)であり,恋人経験の有無の「欲しい」群が有意に大きい値を示した。