5.本研究の目的


 以上のことから本研究では,対人場面で一般的に相手への配慮を必要とされる要求行為について取り上げる。とくに要求行為における要求表現について検討する。

 要求場面と要求する相手を条件変数として設定し,このような場合にはどのような「お願い」の仕方をするか,与えられた場面での望ましい要求表現について検討する。

 言語表現上の言語的配慮を示す次元として丁寧度(politeness)と間接度(indirectness)の 2 次元を用いて検討を行う。
  また,関係を維持したまま相手に快く承諾をしてもらえるためには,個人のソーシャルスキルが要求表現の使い分けに関係すると考える。そこで,個人の持つソーシャルスキルと,そこで使用される要求表現との関連を検討する。高いレベルでソーシャルスキルを持っている人が,相手への要求表現についてどのような表現を用いているのかということにも焦点を当てながら探索的に検討を進めていく。



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