結果
4.資質的レジリエンス要因・獲得的レジリエンス要因各下位因子に影響を及ぼす各変数の検討
凝集性,適応性,見捨てられ不安,親密性の回避がそれぞれどのように資質的レジリエンス要因,獲得的レジリエンス要因各下位因子にどのように影響を及ぼしているのかを検討するために,強制投入法を用いて重回帰分析を行った。まず,家族機能の下位尺度である凝集性,適応性を独立変数,愛着スタイルの下位尺度である見捨てられ不安,親密性の回避を従属変数として重回帰分析を行った。その後,上記4つの変数を独立変数,レジリエンスの下位因子である楽観性,統御力,社交性,行動力,問題解決志向,他者心理の理解を従属変数として重回帰分析を行った(Table 6,Table 7,Figure 3,4)。自己理解は信頼性が十分でなかったため重回帰分析を行わなかった。
その結果,「楽観性」に対して「見捨てられ不安」(β=-.291:p<.001),「親密性の回避」(β=-.358:p<.001)が負の影響を与えていた。「統御力」に対して「見捨てられ不安」(β=-.316:p<.001)が負の影響を与えていた。「社交性」に対して「凝集性」(β=.280:p<.05)が正の影響を,「適応性」(β=-.285:p<.05)が負の影響を与えていた。「行動力」に対して「見捨てられ不安」(β=-.237:p<.01)が負の影響を与えていた。「問題解決志向」に対して「親密性の回避」(β=-.392:p<.001)が負の影響を与えていた。
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