5. 本研究の目的
本研究では自意識と変化動機に加えて,同調行動との関連についても検討する。自意識と変化動機という目には見えない内面的な側面だけではなく,外面的な行動を測る同調行動尺度(葛西・松本,2010)についても加えて検討することで,より深く検討することができると考えられる。また,一般に,発達心理学や人格心理学では,男性が「個の確立」を重視するのに対し,女性は「関係性の維持」を重視するという,方向性の違いがあることが指摘されている(谷,2010)。 そのため,男性と女性では自意識,変化動機,同調行動に関しても違いがみられると考えられる。
よって,本研究では,大学生の自意識と人間関係における自己の変化動機と同調行動の関連に注目し,自己に向ける意識の違いで他者との関わり方にどのような違いがあるかについて,性差も含め検討することを目的とする。
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