5.本研究の目的


以上を踏まえて本研究の目的を述べる.

@強制性交等罪の適用外であるわいせつ行為を第三者の目線から見て,被害者を非難する程度を測る尺度を作成し,わいせつ行為を合理化する信念であるわいせつ神話がどれほど世の中で支持されているのかを検討する.

A男性被害者,女性被害者をそれぞれ想定してもらい,被害者非難においての被害者の性別における違いを検討する.伝統的性役割観によって,男性の性被害を軽視する傾向にあると予測する.

B公正世界信念,性役割観態度,わいせつ神話支持の関連性を検討する.公正世界信念では,Maes(1998)の研究と同様に,内在的公正世界信念が強い人は性犯罪が起こった原因を被害者に帰属するため,被害者非難の傾向が強いと予測される.また,性役割観態度が強い人はわいせつ神話を支持することが先行研究から予想される.



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