1.はじめに
近年,教育現場の問題として教師不足が深刻化している.どの校種においても教師不足の状況にあり,小学校は979人の不足と不足数が最も多くなっている(文部科学省,2020).この問題の原因として教員のなり手不足, 特に,教員志望の学生が減少傾向にあることが原因の一つとして考えられている.現に公立学校教員の2024年度採用試験の志願者は全国で計12万7855人と前年度から6061人(4・5%)減っており(高嶋・植松・氏岡,2023),労働時間が長かったり,教員の負担が大きかったりと教員の労働環境に対する悪い印象が先行していることが要因として考えられている(岡田,2024).また,藤原・川俣・福住(2020)は教職に対する不安を分類し,「教員採用試験への不安」や「職業適性の不安」を挙げた.そして,小方・植田・上野・金綱(2021)は教師としての不安感(漠然とした不安とより具体的な指導力への不安(力不足)の自己認識),人間関係の不安,勤務時間の不安など教職に対する不安も教職志望を妨げる要因となることを指摘した.
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