6.本研究の目的
本研究では,青年期に属する大学生の友達親子関係と同性の親への反抗経験が主観的幸福感に与える影響について媒介変数も含め検討していく。本研究における媒介変数としては,青年期後期の大学生の精神的自立をはかるために,一人でいられる能力を取り上げる。よって,大学生の友達親子関係と,同性の親への反抗経験の有無とその内容が,精神的自立にどのような影響を与え,日々の生活における主観的幸福感にどのような影響を与えるのかについて検討することを目的とする。
次に,本研究では,母と娘,父と息子というように,同性の親との親子関係を基本として研究を進める。親子の性別により影響の受け方の違いについての研究は少ない(大島,2015)。そこで,親子関係の性差や,一人暮らしの大学生あるいは実家暮らしの大学生による違いについても検討していく。先行研究では,母親と父親の役割を比較した研究はあるものの,母と娘,父と息子というように,親子としての関係性同士で比較したものは見当たらない。よって本研究では,性別や暮らし方によって,同性の親子関係の在り方や同性の親への反抗経験に違いがあるのかを検討し,それが子である大学生の精神的自立や主観的幸福感に与える影響について検討することを目的とする。
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