4.性役割観


4.性役割観について

 家庭内においてアンコンシャス・バイアスが形成された要因として,性役割観が考えられる.性役割観について,伊藤(1978)は,その個人の意のままにはならない性に基づくものであると述べており,そのため,役割に対する価値または評価は,その個人の尊厳に強い影響を与えるため,個人の態度・行動をまでも左右することを述べている.また,性役割観は女性より男性の方が強いことが分かっている(内閣府,2022).

 結婚後の生活について, 佐野・高田谷・近藤(2007)は,男性は家庭のことはできれば女性に任せたい,あるいは女性がするべきだと考えていること,女性は家事・育児を男女どちらでも手の空いている方が行えば良いと考えている傾向が認められたと述べている.国立社会保障・人口問題研究所(2021)の第16階出生動向基本調査では,将来のライフコース像として,女性(18〜34歳)は,結婚せず仕事を続けるライフコースや,結婚し,子どもを持つが,仕事も続ける両立コースを予想している数が増加傾向にある.女性雇用者が年々増加しているなか(厚生労働省,2023),女性は依然として,男性に家庭的であることを求められている.



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