3．両親の夫婦関係

3.両親の夫婦関係について

　両親の夫婦関係は，子どもの結婚観に直接影響を及ぼしていることが多くの研究で述べられている（山内ら，2008；森・桂田，2017；後藤・山田・興津，2023など）．また，森らは，男子学生は母親が愛情に依って結婚を維持していると認知していると結婚願望が強くなるが，女子学生は母親だけでなく父親も愛情をもって結婚生活を続けていると認知している方が，結婚願望が強いことを述べていることから，両親の夫婦関係が良好である場合にも，男女で結婚観に差があることが考えられる．

　伊東（1997）は，子どもの時の家族関係は成人になってからの結婚や結婚に対する態度に影響を及ぼすと述べている．さらに，両親が離婚している，していないに関わらず，両親の間の葛藤が強かったり，両親の結婚を不幸なものとみなしていたりする青年は，結婚に対してよりネガティブな態度をもつことも明らかになっているとのことである．