2.結婚観
2.結婚観について
結婚観とは,未婚者が抱く自らの将来の結婚に対する期待,予測,感情を意味するものである(山内ら,2008).
篠原(2012)によると,2000年から2010年までの間に,男女ともに「結婚こそが幸福である」という考えに否定的な見方をする人の割合が増えたことが明らかになった.男女ともに,1911年から1935年生まれの回答者に比べて若年世代は「結婚こそが幸福である」という考えに反対する傾向が認められたが,若年未婚者の結婚願望は依然として高く,若者が結婚を拒否しているわけではないと述べている.国立社会保障・人口問題研究所(2021)の第16階出生動向基本調査では,未婚者の結婚に対する考え方において,「いずれ結婚するつもり」と考える18〜34歳の未婚者は,男女,年齢,生活スタイルの違いを問わず減少傾向にある(男性81.4%,前回85.7%;女性84.3%,前回89.3%).また,結婚相手の条件では,男性は女性の経済力を重視または考慮するようになり(48.2%,前回41.9%),女性は男性の家事・育児の能力や姿勢を重視する割合が大きく上昇した(70.2%,前回57.7%).これらの結果より,若年未婚者は,結婚のみに限られない多様なライフスタイルに対して寛容になってきており(篠原,2012),結婚願望は減少傾向を示してはいるものの,依然として高いことが示されている.
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