3.自己意識尺度の因子分析

 自己意識特性のどの側面が嫉妬感情の喚起の強さに影響するのかを検討するため、自己意識尺度について因子分析を行った。

 黒沢(1992)と同様、43項目の内、自己意識に関係のないと思われる項目「1.自分に起こることは何でも良いほうに解釈するようにしている」と「43.ウソをつく必要があるときには、私は平気でウソがつける」を取り除いた。そして、残りの41項目について主因子法およびPromax回転による因子分析を行った。因子数は、黒沢(1992)にしたがい4因子を指定し分析を行った。その結果、因子負荷量が.35に満たなかった「4.何をしても、これは絶対にうまく行く、と感じることが少ない」「23.自分は色々な点で、もっと変わる必要がある。」の2項目を分析から除外することにした。2項目を除いた上で再度因子分析を行い、4因子を抽出した。その結果をTable.2(PDF)に示す。

 黒沢(1992)とほぼ同じ結果が得られたので、それにしたがい第1因子を“公的自己意識”、第2因子を“社会的自尊心”、第3因子を“自尊心”、第4因子を“私的自己意識”と命名した。

 それぞれの因子について、.35以上または-.35以下の高い負荷量を示した項目を集め、得点が高いほど自己意識特性の諸側面が強く現れていることを意味するよう、逆転項目を変換し、項目の得点を合計したものを、それぞれ「公的自己意識得点」「社会的自尊心得点」「自尊心得点」「私的自己意識得点」としてその後の分析を行った。


                  4.自己意識特性と従属変数との相関分析 へ

2.用いた場面による拒否の程度の操作の有効性 へ