7.嫉妬感情について

 本研究では、嫉妬感情を自己意識特性というパーソナリティとの関連について検討してきた。そして、嫉妬感情とその他のパーソナリティとの関連も十分に考えられる。それらの検討をすることにより、嫉妬の構成要素や嫉妬の構造を明らかにできるであろう。

 また、White(1981)は、嫉妬状況で自分とライバルをどのような側面で比較したかを調査し、身体的・性的魅力、パーソナリティ、恋人との類似性、職業的地位、恋人との長期的な関係を形成しようとする願望、恋人の考えなどに関する感受性の6つの側面を明らかにしている。本研究では、ライバルを「かっこいい男性」や「かわいい女性」としているが、ライバルの認知と嫉妬感情との関連についても検討する必要があるだろう

 笠原(1981)は不安を、対象のある不安と対象のない不安との2つに分類している。同じように、嫉妬の対象ということも考えられる。嫉妬は誰かに、もしくは何かに対して向けられた感情なのか。それとも、ただ漠然とした感情なのか。そして、嫉妬が誰かに向けられた感情ならば、その対象は恋人なのか、ライバルなのか、もしくはその両方なのか。そういった嫉妬の対象を明確化することも、嫉妬の構造を明らかにするのに必要な検討であろう。



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