方 法 

 
     

1.調査対象  
 
大学生男女266人
このうち質問紙に1つでも記入漏れやミスがあったものを除き、最終的な有効回答数は245人(男性114人、女性131人)であった。平均年齢は19.6歳であった。

 

 

2.調査時期  
 
2005年11月下旬から12月上旬に実施した。

 

 

3.調査実施状況  
 
 調査は、205名に対して講義時間の一部を利用して一斉に実施し、その場で質問紙を回収した。なお、残りの61名は個人的に調査を依頼し、その場もしくは自宅で各自実施してもらった後、研究者が直接回収した。質問紙の回答に要する時間は約15分程度であった。

 

 

4.質問紙の構成  
 
@孫―祖父母関係評価尺度

 孫と祖父母の日常的な行動的・情緒的関わりに加えて、世代継承、何もしないでそこにいるというBEINGも視座に据えた上で、孫が祖父母に果たす機能を測定することを目的とする孫―祖父母関係評価尺度(田畑・星野・佐藤・坪井・橋本・遠藤 1996)を使用した。この孫―祖父母関係評価尺度は「存在受容機能」「日常的・情緒的援助機能」「時間的展望促進機能」「世代継承性促進機能」の4つの下位尺度から成り立っている。本研究では、これとは別に時間的展望体験尺度を用いることから、時間的展望促進機能に該当する質問8項目を削除し、計22項目で構成した。また、まず初めに思い浮かぶ祖父母において、既に亡くなった祖父母を想起することも考えられるため、「〜ことがある」など現在形を全て「〜ことがあった」など現在完了形に修正し、作成した。質問項目は、被験者と被験者が想起した祖父母との関わりについて回答させるもので、例えば「祖父(祖母)は何があっても、私のことを見捨てないと思った」という質問に対し、「とてもそう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「全くそう思わない」の5件法で回答を求めた。


A加齢に対するイメージ

 加齢に対するイメージを測定するため、Semantic Differantal法(SD法)を用いた。井上、小林(1985)がまとめた日本におけるSD法による研究分野とその形容詞対尺度構成から、特に人格の分野において使用頻度が高く、かつ加齢に対して尋ねるのに妥当である形容詞対23項目を選び、構成した。質問項目は、被験者自身が加齢に対する印象について回答するもので、例えば「嬉しい―悲しい」などという質問に対し、「とても」「どちらかといえば」「どちらでもない」「どちらかといえば」「とても」の5件法で回答を求めた。


B時間的展望体験尺度

 時間的展望を測定する従来の尺度は、過去に対する項目が取り上げられていたとしても1つの下位尺度として成立していない、項目数が多い、未来に関する希望と目標指向性という2つの側面を区別していない、などの問題点がある。そこで、本研究では「現在の充実感」「目標指向性」「希望」「過去受容」の4つの下位尺度から構成される時間的展望体験尺度(白井 1997)を使用した。信頼性係数はそれぞれ高く、内的整合性においても問題のない尺度である。質問項目は被験者自身が希望や充実感、過去受容をどのくらい持っているのかについて回答するもので、例えば「私には、だいたいの将来計画がある。」などという質問に対し、「非常に当てはまる」「ややあてはまる」「どちらとも言えない」「あまりあてはまらない」「全く当てはまらない」の5件法で回答を求めた。