方法
調査対象者
M県の大学、短期大学の学生158名。
そのうち記入漏れ、26歳以上のものを省いた147名(男性33名、女性114名)を分析対象とした。
平均年齢20.10歳。
調査時期
2007年12月後半
調査手順
二つの大学において授業時間中に各々一斉に配布し、その場で回答した。
質問紙配布前に質問紙の概要について「性役割意識とコミュニケーション行動に関する質問です」と説明し、質問紙回収後に、異性不安との関連についても説明した。
質問紙の回答時間は7分から15分程度であった。
質問紙の構成
フェイスシート
性役割意識尺度
男性と女性に関する性役割意識を測定するのに、M-H-Fscale(伊藤, 1978)を用いた。
Masculinity項目、Femininity項目、Humanity項目の各10項目のうち、
調査協力者の負担を減らすため、各9項目を使用した。
異性不安尺度
富重(2000)の異性不安尺度を参考に、新項目を追加して使用した。以下に新項目を記載する。
@コミュニケーションに関する不安
1,異性とのコミュニケーションで、自分はよく失敗してしまうと思う。
2,異性とのコミュニケーションで、自分が悪かったと悩むことがよくある。
3,自分は、異性とコミュニケーションをとるのが人より下手だと思うことがよくある。
4,異性とコミュニケーションをとる時、笑われたり反対されたりするのではないかと不安である。
5,自分は異性とコミュニケーションを上手にとることができないと悩む。
6,異性の前でも自信を持って自分の考えを言うことができるか不安である。
A相手に満足できない不安
1,異性と接すると、相手に対して自分が不満を持ちそうで不安である。
2,異性と接すると、自分が相手に対して怒ってしまいそうで不安である。
3,異性と接しても、自分が相手との良い関係をこわしてしまいそうで不安である。
B自身の性としての魅力に関する不安
1,自分が自身の性として魅力があるかどうか不安である。
2,異性とコミュニケーションをとる時、自身の性としての魅力が相手に伝わるかどうか気になる。
3,努力をしても、自分には自身の性としての魅力が得られないのではないかと不安である。
4,異性と接しているとき、相手にきちんと異性として見られているか不安になる。
C理想との不一致に関する不安
1,自分の理想とする異性は現実にはいないと悩む。
2,異性とコミュニケーションをとる中で、相手を自分の理想に近づけることができないのではないかと不安に思う。
3,自分がどんなに努力をしても、理想の異性とは出会えないのではないかと不安に思う。
4,自分がどんな働きかけをしても、異性を自分の理想的な人に変えることはできないと悩む。
D性差に関する不安
1,異性は同性と違い理解が難しいのでコミュニケーションをとるのに不安になる。
2,異性と接するのは同性と接するよりも難しいと悩む。
3,異性は同性とは違い理解に苦しむので、接するのに不安に思う。
4,異性は同性とは違うので恐くて、コミュニケーションをとるのが不安に思う。
自身の性の受容に関する質問項目
自身の性を受容しているか否かについては、ジェンダーアイデンティティ尺度(土肥, 1996)の中の
性の受容項目の中で、性役割と関係のない、抽象的な質問項目
「私は男(女)に生まれて損をした」「女(男)として生まれた方が幸せだった」
の2項目を使用した。
問題・目的
結果
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