V.結果と考察1
Moodle上のポートフォリオへの書き込みのデータが確認できた32名(男性6名、女性26名)を分析対象とした。
1.評価項目の尺度構成の検討
ポートフォリオの評価項目の因子構造について明らかにするために、因子分析を行った。その際に@ガイダンス期、A授業案完成期、B実践期の得点をひとつにまとめたものを分析に使用した。@とAの時期に複数の書き込みがあったものについては平均値を算出して分析に使用した。因子の抽出には最尤法を用い、因子数はスクリープロットを参考に2因子とし、プロマックス回転を行った。その結果、因子負荷が .35に満たなかった1項目(「 5. 活動を進めていくのが大変だった」)を分析から除外した。その後再度同様の分析を行い、その結果の因子をTable 1 に示した。第1因子は「他の人とともに活動するのが楽しいと感じた」、「人と仲良くできるよう心がけた」などの項目の負荷が高く『コミュニケーション行為の中での動機づけ』と命名した(α= .894)。第2因子は「挑戦的な活動に取り組み、その活動を十分にやり遂げられたと感じた」、「行っている活動をうまくやり遂げる自信が感じられた」という2項目の負荷が高く『達成感』と命名した(α= .816)。それぞれの因子について.400以上の因子負荷がみられた項目を合算し、下位尺度項目を構成した。下位尺度名は因子名を用いた。
| Table 1 評価項目の因子パターン行列(最尤法・プロマックス回転) |
|
|
|
|
第1因子 |
第2因子 |
|
| 第1因子:コミュニケーション行為の中での動機づけ |
|
|
|
| 8 . 他の人とともに活動するのが楽しいと感じた |
.897 |
.025 |
|
| 4 . 人と仲良くできるように心がけた |
.871 |
-.060 |
|
| 1 . やっていることが面白いと感じた |
.800 |
.087 |
|
| 3 . 他の人のために活動を頑張りたいと思った |
.727 |
-.050 |
|
| 6 . 活動にとても集中していた |
.498 |
.311 |
|
| 第2因子:達成感 |
|
|
|
| 7 . 挑戦的な活動に取り組み、その活動を十分にやり遂げられたと感じた |
-.125 |
1.072 |
* |
| 2 . 行っている活動をうまくやり遂げる自信が感じられた |
.279 |
.541 |
|
| 因子間相関 |
|
.619 |
|
| 注釈* 7は不適解だが、項目の分類のためにこの結果を参考に分類を行った。 |
|
|
|


|