1. 対象者 国立の4年制大学に通う大学生男女364名を対象として質問紙調査を実施した。このうち、質問紙に記入 漏れや記入ミスのあったもの、両親の離婚経験があると答えたもの、既婚であると答えたものを除き、 有効回答者計323名(男性148名、女性175名)のデータを分析対象とした。対象者の平均年齢は19.44歳 (SD=1.33)であった。 2. 調査時期 2009年11月中旬〜下旬に実施した。 3. 手続き 調査は講義時間中に質問紙を配布し、一斉に実施した。質問紙の回答に要した時間は15分程度であった。 4. 質問紙の構成 (1)フェイスシート (2)対象者の属性 記入年月日、性別、年齢、学年、婚姻歴(既婚・未婚)、居住状態(実家・下宿)、家庭状況(両親 ・一人親、父・一人親、母・その他)、両親の離婚経験(有・無)を尋ねた。また、プライバシーに配慮 し、表紙の次のページに項目を記述し、回答することに抵抗を感じる場合は回答を拒否してもよい旨を 表紙に記述した。 (3)結婚観について 1.結婚観尺度:小田切(2003)が、結婚に対する考え、結婚願望の強さ、結婚する理由などを調べるた めに、結婚意識調査(厚生統計協会, 1997)を参考に作成した32項目のうち、質問の意図がよく分から ないと考えられる「結婚についてはよく分からない」を削除した全31項目を使用した。「あなたの考え る結婚のイメージについて、もっとも当てはまるもの1つに○をしてください」と教示し、項目に対し て、 自分の考える結婚のイメージにどの程度あてはまるのかを「そう思わない」から「そう思う」ま での4段階で評定させた。 2.結婚意思:「あなたは将来、結婚したいですか。」と尋ね、もっともあてはまるもの1つを選択させ た。(絶対にしたい、いい人がいればしたい、必ずしもしなくて良い、一生したくない) 結婚希望年齢とその理由:「あなたは何歳ぐらいで結婚したいですか。またその理由を教えてくださ い。」と尋ね、自由記述で回答させた。 3.結婚相手に求めるもの:「あなたが結婚相手に求めるものは何ですか。」と尋ね、より当てはまる もの上位3つを選択させた。(学歴、人柄、職業、経済力、社会的地位、容姿、続柄、共通の趣味が ある、家事や育児に協力的である、仕事に理解がある) (4)母親の結婚満足度について 母親の結婚満足度尺度:朴(1994)が作成した家庭生活満足度尺度24項目を参考にした。このうち、子 ども自身には答えにくいと考えられる項目(例:夫との性生活に満足する)や、日本の文化には合わな いと考えられる項目(例:価値ある団体会員である)など5項目を削除した全19項目を使用した。また、 分かりづらいと思われる表現は不自然でないように修正した。「あなたの母親は、以下の項目について どのように感じているとあなたは思いますか」と尋ね、項目に対して、自分の母親はどの程度あてはま るのかを「全くあてはまらない」から「非常によくあてはまる」までの5段階で評定させた。 (5)職業観について 1.職業観尺度:菰田(2007)が、大学生の職業価値観の特徴を明らかにするために作成した52項目を参 考にした。そのうち、菰田(2007)の因子分析の結果、残余項目10項目、本研究の目的には関係はなさ そうだと思われる「人間関係」因子の7項目を削除した全35項目を使用した。「あなたは職業を選択する とき、以下の項目にどの程度こだわりますか」と尋ね、項目に対して自分はどの程度あてはまるのかを 「全くこだわらない」から「とてもこだわる」までの4段階で評定させた。 2.結婚後と、結婚して子どもが生まれた後の就労形態:「あなたは結婚後(結婚して子どもが生まれた 後)、どのような形態で働きたいと考えていますか。」と尋ね、もっともあてはまるもの1つを選択さ せた。(正社員、パートタイム(非常勤)、専業主婦(主夫)、その他) |