【方法】
対象者
A県に住む1歳6カ月児をもつ母親を対象とした。質問紙調査用紙を、返信用封筒を添えて配布し、後日郵送にて回収した。配布数は248名で、回収数は102名であった(回収率41.13%)。このうち、質問紙に記入漏れや記入ミスのあったものを除き、有効回答者計99名のデータを分析対象とした。
調査時期
2010年11月
手続き
A県内の保健所6ヵ所に依頼し、1歳6カ月児健診を受診した計248名の母親に、質問紙調査用紙を配布した。質問紙は、健診中の集団説明の時間や問診の合間に配布し、後日郵送にて回収した。
質問紙の構成
(1)フェイスシート
(2)年齢、就業形態(正社員・パート・専業主婦・その他)、家族構成、子どもの性別、保育所の利用(有・無)を尋ねた。
(3)母性神話について
母性神話尺度:江上(2005)が作成した「母性愛」信奉傾向尺度12項目を参考にした。元の尺度にならい、「そう思わない」〜「そう思う」の5件法で回答を求めた。また、そのままの項目では、母性を重視するような考えに偏りすぎていて、回答者が答えていて不快に感じると考えたため、「子育ても大事だが、母親自身の生き方も大切にするべきである」等のポジティブな項目を4項目加えて回答を求めた。
(4)育児不安について
育児不安尺度:住田・中田(1999)が作成した育児不安尺度31項目を参考にした。表定値の分散を大きくするために、「まったくない」〜「よくある」の3件法から、「まったくない」〜「よくある」の5件法に変更して回答を求めた。また、そのままの項目では、育児に対してネガティブな感情を聞くものばかりで、回答者が答えていて不快に感じると考えたため、「子どもを育てることによって、自分も成長しているのだと感じることがある」等のポジティブな項目を4項目加えて回答を求めた。
(5)ソーシャル・サポート選好について
ソーシャル・サポート選好尺度:飯島(1997)、荒牧・田村(2003)を参考にした。物質的サポートは、「病気の時に、子どもの世話をしてくれる」、「ちょっと出かける時に、子どもの世話をしてくれる」、「安心して子どもの世話を頼むことができる」の3項目を使用した。情緒的サポートは、「子育てについての悩みや愚痴を聞いてくれる」、「子どもに嬉しいことがあった時に一緒に喜んでくれる」、「子育ての大変さを理解してくれる」、「子どものことで落ち込んだ時に相談できる」、「子どもについて心配事がある時相談できる」の5項目とした。「周りの人からの手助けとして、以下のことはどの程度ほしいと思いますか」と尋ね、「ほしいと思わない」〜「とてもほしいと思う」の4件法で回答を求めた。
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