*予備調査*

結果と考察



1.調査対象者の属性


調査対象者 (保育園の園児の母親・親子教室に来ている母親) の子どもについて,年齢や性別等,どのような内訳であったかをTable 1に示した。
有効回答者数は,325名であった。そのうち,対象者の子どもの年齢は0〜3歳であり,2歳児が159名で最も多かった (49%) 。また,男児174名,女児144名であった (不明7名) 。
母親の就労形態としては,パートタイマー150名,正社員119名,その他38名,専業主婦18名であった。




2.遊び観尺度の因子分析


本研究で取り上げた概念である「遊び観」の構成要素を検討するために,遊び観について尋ねた項目55項目において,主因子法による因子分析を行った。それぞれの要素間は,相関があると想定されるため,プロマックス回転法を採用した。また,固有値の変化と解釈可能性を考慮して,4因子解が妥当であると判断した。その結果,十分な因子負荷量を示さなかった32項目を分析から除外し,残りの23項目に対して再度,主因子法・プロマックス回転による因子分析を行った。その結果をTable 2に示した。
第1因子は,遊びと教育を結びつけた考えで成り立っているため,〈遊びの教育観〉,第2因子は,遊びに対する肯定的な力を重視した考えから成り立っているため,〈遊びの効力〉,第3因子は,遊びを負担に思っている考えから成り立っているため,〈遊びの負担感〉,第4因子は,遊びを受け止めている姿勢や,親子ともに遊ぶことを重視した考えから成り立っているため,〈遊びの受容・共感〉と命名した。
下位因子ごとのα係数は,第1因子α=.73,第2因子α=.73,第3因子α=.66,第4因子α=.68であり,尺度の内的整合性はほぼ満たされていた。したがって,本調査ではこの23項目を用いることとした。




3.自由記述から得られた「母親の遊びに対する考えとかかわり


0〜3歳の子どもをもつ母親の考えやかかわり方として,どのように考え,遊んでいるのかを具体的にイメージしやすいようにするため,自由記述から得られた意見を挙げることとする。
「日常生活と遊びを区別していない」,「たくさんのおもちゃがあるが売られているが,おもちゃは少なくても,タオルやペットボトルを使っておもちゃを作って遊んでいる」,「子どもとのスキンシップを大切にして遊んでいる」というものがあった。



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